ノウルーズ(ウズベキスタン)

Nowruz  ノウルーズ

 ノウルーズとはペルシャ語でノウは「新しい」、ルーズは「日」を表す。暦上では春分の日であり農暦上重要であるため中央アジアからアフリカ方面でも行われる祭りだ。

西暦上では3月の21 日が春分の日になるが、ウズベキスタンの街や村単位で行われるノウルーズは春分の日前後で各村によって決められるという。つまりウズベキスタン全土で3月21日に一斉にノウルーズが行われるわけではなく、村によってちょっとずつ日程が違うらしい。それならば、ブハラからサマルカンドへの移動中に遭遇できればラッキーと期待していたら、まさにサマルカンド近郊で村人の集団が目立つ広場があった。これはきっと!と胸をワクワクさせながら近寄って行くと、ビンゴ!! ちょうどノウルーズの宴たけなわであった!

 広い会場には10人分ほどであろうか巨大円卓がいくつも並び、大音量のウズベキダンス音楽が村人たちを踊りに駆り立てていた。これぞ昔ながらのノウルーズではないだろうか。プロフ(ウズベキスタンのピラフ)の匂いが会場の村人の鼻腔をくすぐっていた。こういう目出度いときにはプロフが定番なのかもしれない。村人はおそらく初めて出会うであろうこの日本人に興味しんしんのようで、笑顔とともに会場へ迎え入れてくれた。円卓の方へ招かれ勧められるままに席につくと湯気とともにプロフがナンとともに運ばれてくる。プロフは米を人参、羊肉などと一緒にオイルで炊き上げあげたものと思えばいいだろう。人参は赤ではなく黄色が鉄板だ。これを入れることによりプロフに甘みが付くという。出来立てのプロフに舌つづみを打ちながら会場を見渡すと、数人ほど華やかな民族衣装に身を包んだ若い女性がいることに気付く。彼女たちはこの一年内で結婚した女性で、ノウルーズ以外でも結婚直後の一月ほどは綺麗な民族衣装で過ごすのだ。

Kurash クラッシュ

音楽に身を任せているのはほとんどが女性だ。じゃ、男たちはどうしているのかというと、祭りの後半から始まるKurashという格闘技大会の始まりを待っているのだ!Kurashはウズベク発祥の中央アジアで盛んな競技で立ち技のみの柔道っぽい競技といえばほぼ合っている。そしてなんとウズベキスタンの国技なのだ。柔道とやや違うのは柔道が背中全体が地面に付くと一本負けなのに対し、Kurashはレスリングのように両肩が付くことを前提としている。動画をみるとわかるが、最後の重量級同士では投げられてほぼ試合が決まったかのように思われる。しかし投げた方はまだ片方の肩しか付いていないので試合はまだ決まっていないと思い反対側の肩を倒した後にも無理やり地面に押し付けようとしている。レフェリーは試合が決まったので割って入って止めさせている。会場で見ていると、こういう競技につきものの興奮した観客や競技者による揉め事などが時々発生してみんなヒートアップしてしまうことがあるので、おそらくトラブらないよう慌てて切り上げさせているのだろう。なおウズベキスタンではみんなモスリムなので酒の勢いでというのはない。

3月の後半に行われるノウルーズ、時期的にこの季節ではウズベキスタンでもなんと日本のように桜が各地で咲いている!ソメイヨシノとは種類が違うが日本人からすると桜の花を見ると気分が盛り上がってくるものだ。現地では全く花見の習慣はないように見えるのでサクランボとしての食用目的で家のそばに植えられているのかもしれない。桜色の花が開く時期に行われるこの春祭りにはウズベキスタンの人々がこれからの一年を祝い、いい年を過ごせるよう祈願をする楽しみごとにあふれた伝統行事でノウルーズは彩られている。都会とは違いこの村でのノウルーズは周辺にあまり家がそれほどあるようには見えないので村全体が集合したのではないかというぐらいの規模だ。村を挙げての春祭りには昔ながらの村人がお互いに力を合わせながら生活していく伝統生活を反映しているかのようだった。

ホムペの方もよろしく   https://asahikotaka.com/

0
Asahiko Takahashi
  • Asahiko Takahashi
  • Photographer & Doctor 日経ナショナルジオグラフィック写真賞2017ピープル部門 優秀賞受賞。少数民族やその祭りなどに興味を撮影を行っている。主なフィールドはシーク教、遊牧民、北ベトナム、雲南省、貴州省、チベットエリアなど。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA